神経伝達物質について

神経伝達物質とは脳内の神経細胞で作られる伝達物質の事です。
これらは、色々と種類があり100種類ほどあるとも言われています。
余り作用がわかっていないものも沢山ありますが、それらの中で比較的よく研究されているものに以下のものがあります。

 

ノルアドレナリン恐怖・緊張・プレッシャーを感じた時に分泌され危機的な状況に陥ることで回避する思考を働かせる作用がありますが、過剰分泌されることにより鬱になってしまいます。

 

ドーパミンは目標を達成した時に分泌される物質で、モチベーションに関係しています。目標が高ければ高いほど沢山分泌され幸福感を得る事ができます。ただし過剰分泌は統合失調症となり、分泌されないとパーキンソン病になる原因となります。

 

セロトニンは精神安定に関与します。心地良い睡眠と覚醒に導いてくれる物質でもあり、ドーパミンとアドレナリンの調整も行っています。これが足りなくなることで鬱病を誘発してしまいます。

 

アドレナリンは戦う、対峙する時に分泌されます。また怒り、興奮によっても分泌が促進されます。分泌されることで、筋力が一時的に上がり、集中力及び判断力を高めます。過度な分泌はいずれ脳卒中や心筋梗塞の要因ともなります。

 

アセチルコリンは冷静さインスピレーションを沸かせます。想像力を高めるためにはアセチルコリンの分泌が重要となります。これがアルツハイマーの分泌にも関与している事が最近ではいわれています。

 

エンドルフィンは極限状態になった時に脳内から分泌されます。いわゆる脳内麻薬と呼ばれる物質です。身体に大きな負担が掛かった時に、それらを回避するため分泌され緩和させてくれます。モルヒネに近い作用があるとされています。

 

最後にメラトニンですが、睡眠に関与します。快適な睡眠と身体回復に働きかけます。これが分泌されないと眠ることが出来ず精神疾患を引き起こす引きがねになってしまします。
以上の物が代表的な神経伝達物質です。これらの分泌により我々の情動はコントロールされています。

 

好き・嫌い・喜び・悲しみ・恐怖・怒りといったことを神経伝達物質の種類や量によって決められています。
抑制性のもの、興奮性のものこのバランスが保たれることで、平常心を保つことが出来ます。特定の神経伝達物質の作用が強すぎたりすると心の状態は乱れてしまいます。
興奮性の神経伝達物質(ドーパミン、エンドルフィンなど)が多く出すぎると幻覚・妄想などが現れ、不足すると気分の低下により鬱傾向になってしまいます。
神経伝達物質は主に大脳辺縁系から分泌されています。
これらの神経伝達物質はアミノ酸を原料として造られており、アミノ酸から造られるものとしてはグルタミン酸、GABAなどが知られます。
そしてアミノ酸を酵素の作用でモノアミンに変えた物質にアセチルコリン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリン、セロトニン、メラトニンがあります。
そしてアミノ酸が連結して造られる神経ペプチドに分けられます。神経ペプチドにはエンドルフィンがあります。

 

これらの神経伝達物質がバランスよく分泌されることで我々は普通の生活を送ることが出来るのです。

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