副腎ホルモン(糖質コルチコイド・コルチゾル)が出続ける事による弊害

ストレスに対応する為に放出されるホルモンが副腎から放出されるコルチゾルなのです。コルチゾルが放出される経路は・・・
1.脳がストレスを感知する
2.視床下部より副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRH)を脳下垂体に向けて放出
3.脳下垂体より副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を副腎皮質に向けて放出
4.副腎皮質からコルチゾルを放出
上記の経路によってコルチゾルの放出が行われています。多量に必要な時は、この経路を再び繰り返します。このサイクルが酷くなった時に、副腎疲労、又は下垂体腫瘍といった異常を引き起こすリスクとなります。
コルチゾルの働きは、アドレナリン放出によって使われたエネルギーを補給することにあります。摂取したものをグリコーゲンや脂肪に変換し肝臓や内臓周りに貯蔵します。身体を元気にし、エネルギーを蓄えるためにお腹を空かせる。これがストレス過多の人が、やけ食いする原因でもあります。緊張状態が解かれた時にお腹が空いてくるのもこの作用です。

 

コルチゾルは身体にブドウ糖を供給する為に肝臓でアミノ酸をブドウ糖に変換します。このアミノ酸は筋肉・リンパ組織・結合組織に存在するタンパク質を分解して作られます。
*マラソンランナーに肥えた人がいないのはこの辺りも関係しています。

 

コルチゾルが分泌され続けると、筋肉痛・免疫低下を引き起こします。更に、インスリンの働きを抑制させ、高血糖になり脂肪も蓄積されていきます。そこで、過剰に分泌していると感知されると、脳下垂体よりACTHの放出が抑制され、コルチゾルの分泌を減少させます。

 

心配事が重なると急に老け込んできたりして、白髪が急に増えたりするのもコルチゾルが影響しています。

 

長期的なストレスが掛かることにより脳下垂体でのACTH造りが中心となってしまい、他に必要なホルモンを造る能力が低下してしまいます。(下垂体に負荷がかかり過ぎると下垂体腫瘍を形成するといわれていいる)性ホルモン、成長ホルモンを刺激するホルモン、黒色色素を造ることが出来なくなり、精巣・卵巣の萎縮(性欲低下)、発育の低下、白髪といった症状が出てきます。

 

そして長期的なコルチゾル放出により免疫低下状態になって風邪を引き易くなり、ウィルス等が体内に入ってきた時に体調が悪化しやすい。

 

ここまでの流れで行くと、悪い事の方が多いように勘違いされてしまいますが、身体に必要なものであるのは間違いありません。

 

コルチゾルの分泌が行われないと、低血糖・低血圧になり悪化すると血流は止まってしまい死んでしまいます。寒冷地に住んでいる哺乳類はこのホルモンのおかげで生存できているといっても過言ではありません。

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