副腎疲労を起こすと塩分が欲しくなるのは何故か?

副腎という臓器からは糖質コルチコイドの他に鉱質コルチコイド、アンドロゲンと呼ばれるホルモンも分泌されています。この内の鉱質コルチコイドというのはミネラルコルチコイドとも呼ばれ、副腎皮質ホルモンの一種です。
その鉱質コルチコイド中のアルドステロンと呼ばれるホルモンは、腎臓に作用しナトリウムと水分の再吸収に作用してナトリウムとカリウムのバランスを保っています。

 

副腎機能が低下すると必然的にアルドステロンの分泌も低下してしまいます。その影響で腎臓から水分とナトリウムは尿として排泄されてしまいます。そして、血液量は減少し血流量も減少します。そうなると、カリウム濃度が高くなり、放置すると人体に重篤な悪影響を及ぼします。その事を回避する為に恒常性を維持(ホメオスタシス機構)する仕組みが働き細胞組織にある水分とナトリウムが腎臓に送られます。そうなることで、血圧もその影響で下がります。

 

上記の事から、副腎が疲弊してしまうことで、体内は塩分不足状態になるので、塩っ気のあるポテトチップスや煎餅などが欲しくなります。日頃からこういった物を欲する傾向のある人は副腎疲労を起こしている可能性が高いです。ストレスにより副腎機能が低下しアルドステロンの分泌減少する事が塩分を欲する理由です。

 

こういった現象が起こっている際に、気を付けないといけないのは高カリウム食品の摂取です。野菜や果物にはカリウムが多く含まれています。副腎疲労をしている状態で、高カリウム食品を摂取することで更にミネラルバランスが崩れてしまい症状を悪化させることに繋がってしまいます。健康に良いイメージがある新鮮なフルーツや野菜ですが、副腎疲労の状態で摂取するとかえって逆効果になってしまうことは覚えておきたいところですね。むしろ、血圧を確認しながら塩分摂取することで、ある程度コントロールすることが可能と考えられます。血圧の基本とされる数値の上を140mmHg、下は90mmHgを基準に塩分調節するようにすれば、バランスが良い状態に保てると思われます。

 

おさらいとして・・・
1.外部からの刺激が入る→視床下部で感知。
2.視床下部から下垂体に命令?下垂体からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の放出。
3.ACTHにより副腎皮質から副腎皮質ホルモン放出→鉱質コルチコイド(アルドステロン)を腎臓に送り込む。
4.腎臓に届いたアルドステロンの作用により水分と塩分の再吸収が行われる
5.上記のサイクルが頻回になる事で、アルドステロンが枯渇してくる。
6.アルドステロンの働きが行われないため、水分と塩分が尿として排泄される。
7.血中のナトリウムと水分が減少する為、血液量は低下する。
8.血中カリウム濃度が高まる。
9.ミネラルバランスを保つために細胞内の水分と塩分が放出される。
10.結果、塩分を補う為に塩っ気のあるものを欲するようになります。

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