更年期障害と副腎の関係

更年期障害といえば、女性特有なものと思われがちですが、男性でも更年期障害はおこります。女性と違い生理がない分わかりにくいのですが、似たような症状は起こります。
イライラ、うつ、睡眠障害、倦怠感、ほてり、めまい、発汗、性欲の減退など、男女ともに似たような症状が現れてきます。

 

代表的な女性ホルモンといえば、エストロゲンとプロゲステロンがあります。男性の場合はテストステロンが代表的です。これらは卵巣(精巣)から分泌されており、原料となるのは肝臓で合成されたコレステロールを原料としています。そして副腎皮質ホルモンの原料もコレステロールから作られています。
コレステロールというと余り良いイメージを抱いていない方も多いかもしれませんが、体には必要な物質です。油を原料としており、肝臓で合成されてコレステロールに変換されます。
このコレステロールですが、副腎と卵巣(精巣)に分配される時にストレス過多な生活を送っていると、ストレス対応をする為に副腎優先でコレステロールが分配されます。そうなると、卵巣(精巣)に送られるホルモンの量は少なくなるので原料不足の状態になります。すると、質の悪いコレステロールが送られたり、原料が枯渇した状態になるので性機能の低下を招く事になり、上記に記した更年期症状を引き起こす原因となってしまうのです。

 

ストレス過多の生活というのは、交感神経優位の生活を送っている状態を指します。交感神経が働いている時というのはストレス対応出来るように副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)が出易い状態になっており、卵巣(精巣)ホルモンの分泌を抑制してしまいます。

 

(人というのは適度なストレスがないと成長できないので、少しのストレスは必要ではありますが、過度なストレスは体調不良を招く原因となります。長期のストレス過多状態は自律神経が乱れたり、各臓器の不調を引き起こします。最終的には癌の原因ともなります)

 

性ホルモンの分泌が減少すると厄介な事に、体内の活性酸素除去能力が落ち、細胞の老化、糖尿病、高血圧、癌などを引き起こす要因となります。こういった事からも性ホルモンの役割が大事な事は理解してもらえると思います。

 

性ホルモンは卵巣(精巣)だけで作られているイメージがありますが、実際には副腎でも作られており、更年期をカバーする意味でも重要な役割を果たしてくれます。デヒドロエピアンドロステロンなる物質がそれにあたります。基本は男性ホルモンなのですが、女性の場合、これが女性ホルモンに変換されます。

 

特に女性の更年期障害に至っては、生理が終わり副腎からの性ホルモンの分泌によるカバーが上手く出来ない事が原因で引き起こされると私は考えます。この副腎からの分泌をカバーするためには副腎にかかる負担を減らすことが必要です。その為には、ストレス過多の生活を減らすように努力する。自分の楽しめる時間を持つ、規則正しい生活リズムにしていく、適度な運動をする、バランスの良い食事を摂る。そして睡眠をしっかりとることが症状を軽くすることにつながります。ので、お悩みの方はこれらの事を実践してみてください。

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