病院で治りにくい疾患について

免疫について

免疫について

血液と言うのは大きく分けると赤血球、白血球、血小板が含まれています。各細胞の役割は
赤血球:細胞に栄養、酸素の供給、二酸化炭素の運搬
白血球:免疫の要となる存在
血小板:止血の役割を担っています

 

そして白血球は単球、リンパ球、顆粒球に分けられます
主な役割は
単球:貪食能があり、細胞内に入り込むとマクロファージに変わり異物の情報を知らせる。
*単球は貪食能の強いマクロファージと情報能力の高い樹状細胞とに分かれます。
リンパ球:ウィルス排出の要。ウィルスと接合し体外へと排出する。
*リンパが詰まると良く無いというのはこの事からお分かり頂けると思います。
顆粒球:好中球、好酸球、好塩基球と3つに分類されます。顆粒球の約90%は好中球で細菌が侵入すると一番先に反応し活性酸素を武器に攻撃するのが好中球です。
*怪我をした時に出てくる黄色い膿は白血球と細菌の残骸です。

 

このリンパ球ですが、分類するとNK細胞(ナチュラルキラー細胞)とT細胞に分かれます。
NK細胞は感染細胞、癌細胞を殺してくれます。T細胞には3種類ありキラーT細胞(感染細胞を殺す)ヘルパーT細胞(B細胞及びマクロファージの活性化)サプレッサーT細胞、(免疫の働き過ぎを制御)そしてB細胞(病原体や毒素の無毒化)があります。

 

大きく分けて白血球とリンパ球の働くのは
白血球:菌が侵入してきた時に主に活躍し、主に交感神経優位な時に働く。時間帯でいうと、日中に働き易い。(交感神経優位な為)
リンパ球:ウィルスが侵入した時に主に活躍し、主に副交感神経優位な時に働きます。
夜間に働き易い。(副交感神経優位な為)

 

以上の事から、アレルギー疾患を持っている人は交感神経優位な状態の時の方が、症状は緩和され易く、自己免疫疾患を持っている人は副交感神経優位の時の方が症状が緩和され易い傾向にあります。そして、中学生に上がるくらいまでの子供は基本的に副交感神経優位な傾向にあり、アレルギー疾患は全般的に子供に多いといえます。逆に自己免疫疾患などは働き過ぎなどによる交感神経優位状態を持続させる行為により、症状は悪化する傾向にあります。現代社会では、競争原理が働きやすい為、社会に出ると交感神経優位になる事が多々あります。その事の積み重ねにより精神的負担を増やすため自己免疫疾患になり易い体質を招いてしまいます。

 

ただし、そこに遺伝的に体質なども関わってくるので必ずしも一致しないケースもありますが、全体的にはこういった傾向が見られます。

リンパについて

リンパ管と細胞間に流れる液体で、リンパ球を含みます。リンパ液は主に血液の血漿成分からできています。血液によって細胞に栄養と酸素を送り込み、二酸化炭素を回収し静脈に帰りますが、その時に静脈に戻れなかった血漿成分がリンパ管に回収されます。

 

リンパの働きには以下の3つがあります
1.余剰水分の回収
2.異物の排泄作用
3.免疫機能
この上記の3つの作用があります。主なリンパ節には
後頭リンパ節(後頭部の皮下。頚部リンパの集合場所)
耳介後リンパ節(胸鎖乳突筋上部表面。頭頂リンパ集合場所)
耳下腺リンパ節(耳下腺上にあるリンパ節。耳介、外耳、鼓膜のリンパの集合場所)
顎下リンパ節(顎下腺付近にあるリンパ節。顔面、口腔のリンパの集合場所)
オトガイリンパ節(オトガイ下にあるリンパ節。舌腺、下唇のリンパの集合場所)
ウィルヒョウのリンパ節(左鎖骨上部にあるリンパ節)
鎖骨下リンパ節(鎖骨の下にあるリンパ節)
腋窩リンパ節(腋窩にある20〜30個のリンパ節群)
気管支肺リンパ節(肺内のリンパ)
腸リンパ本管(腹腔内リンパの集合場所)
鼠蹊部リンパ節(下肢の付け根の全面にある数10個のリンパ節群

 

リンパ液は血液のように心臓の押し出しにより流れている訳ではなく、骨格筋の収縮や呼吸により流れます。当然、安静時の流れは緩やかで、運動時の流れは早くなります。
リンパ液は血液の倍以上存在するが、流れは血液よりも緩やか。

 

血液から漏れ出た血漿成分は組織液と呼ばれ、細胞より排出された老廃物・タンパク質・細菌・ウィルスも含まれており、それらは毛細リンパ管に入り、リンパ節に送られます。リンパ節にはマクロファージやリンパ球が集まっており、そこに入ってきたウィルスや細菌を血中に入らないように攻撃します。これらの動きが正常に働き、これらの流れを経て静脈の中に還っていきます。

 

リンパ節が腫れるという事がしばしば起こりますが、腫れるのは免疫の働きにより細菌やウィルスへの攻撃により炎症反応が起こっている現象です。

 

リンパ節の1つに乳び槽と呼ばれる部位があります。リンパ本管の胸管の辺りに存在しています。下半身のリンパ液と腸からのリンパ液はここに集められ、脂肪分を含む為、白く見えます。そのことから乳び槽と呼ばれます。

 

このような経路をたどり、リンパ液はリンパ節に入り奇麗な状態にして静脈に還ります。いわばリンパ管は身体の下水システムと理解していただけると良いと思います。

免疫の働きとは

免疫機構とは微生物や細菌・ウィルスから我々の身体を守ってくれているシステムの事です。この働きが起こらないと、たちまち身体はダメになってしまいます。
生体防御反応として自然免疫と獲得免疫があります。
自然免疫:敵が侵入して来たら、即反応するが効果は弱い
獲得免疫:敵が侵入してきても、すぐには反応できないが効果は高い

 

身体を守る為に大きく分けて3つの作用をします。
貪食作用:好中球、マクロファージ
殺菌作用:キラーT細胞
抗体による無効化:B細胞(抗原を無力化させる抗体を出す)
*抗原とは抗体が認識し結合できる分子の事を差します。
抗原が入ると真っ先に働くのは好中球とマクロファージと好中球で、時間が経ってからキラーT細胞とB細胞が働きます。

 

これらの細胞は造血幹細胞という細胞が分化したものでT細胞以外は骨髄で造られています。T細胞は胸腺で造られています。B細胞とT細胞はリンパ節や脾臓で免疫反応を起します。

脾臓

左上腹部に存在し、横隔膜と腎臓に触れる位置にあります。胎児の頃は血液が造られますが、生まれるとその機能は骨髄に移ります。脾臓では老化、異常な赤血球や白血球の破壊をし取り除き、蓄えられている赤血球、血小板を酸素が少なくなった時に全身に送りだします。
脾臓の中には白脾髄、赤脾髄があり白脾髄には免疫に関わるリンパ球があり、赤脾髄には赤血球が存在する。
白血病のような病気になると骨髄での血液産生が出来なくなる為、脾臓での血液処理が過剰になり、腫れてきます。肝硬変でも同じように腫れて正常な細胞まで破壊してしまい、貧血を引き起こしたり、出血傾向が見られたりします。

胸腺

胸骨の裏側にあり、左右の肺の前面にある。幼児期に成長し、思春期以降退縮する。Tリンパ球の分化・増殖を行う器官。70歳程度で脂肪塊となり機能は終える。

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