高血圧について

血圧とは・・・
血球が血管を通る時の圧力の事をいいます。
血管に強い抵抗を与えて血球が通る時の血圧を収縮期血圧と言います。
逆に何も抵抗を加えずに血球が通る時の血圧を拡張期血圧と言います。

 

よく「上がいくらで、下がいくらです」というセリフを聞くことがあると思いますが、上とは収縮期のことで、下は拡張期の事をさします。
現在の医療業界の基準として収縮期血圧が140mmHg拡張期血圧を90mmHg以上が高血圧とされています。

 

この血圧ですが、原因のわからない高血圧(本態性高血圧)が殆どで、腎臓やホルモンの働きによる高血圧は一部なのです。

 

血圧は自律神経支配により調節されており、大きく分けると日中の活動中は血圧が高くなり、睡眠中の休息中は血圧が下がります。基本的にはそうなのですが、感情や活動の仕方により血圧の高低差があらわれます。怒りは血圧を上げ、リラックスは血圧を下げます。
この感情の起伏による作用が大きく、頑張り過ぎる生活をしていると常に交感神経緊張状態にあり、足が吊る、肩がこるなどの現象も起こり易くさせます。こういった症状が頻繁におこるようであれば、生活を見直す必要もあるでしょう。

 

だからといって副交感神経優位になるような怠惰な生活が良いのかと言えばそうではありません。副交感神経が優位になるような、ダラダラした生活はアレルギー疾患を引き起こし易くさせてしまいます。

 

血圧が上がると脳卒中の原因になるから良く無いというイメージがありますが実際血圧が上がらないと活動する事ができません。そう考えると、血圧が高い=悪いというイメージに違和感を感じます。
例えば、農作業を行う高齢者は血圧を上げないと鍬をもって畑仕事なんてとても出来ません。それに、年齢と共に各臓器も動きが悪くなっているのですから当然とも言えます。極端ですが血圧が上がらない=起きれないと考えてもらって良いです。生活背景を考えると高血圧が一概に悪いとは言えないことがわかって頂けると思います。

 

昔の高血圧の基準というのは今よりも高く設定されており、収縮期180mmHgとされていました。そして生活様式が変わっていき、肉体労働者も減少し全体的に血圧を上げる必要のある人が減りました。そうなると高血圧の基準が下げられ現在では140mmHgが基準となった訳なのです。通常でも少し高めの人であれば140mmHgだと集中して作業を行うとすぐに140mmHgは越えてしまいます。そして病院にいくと降圧剤を処方されるようになります。
降圧剤とは・・・
血管の心臓から送られる血液の流れる速度を落とし、その事で血管抵抗を低下させます。その事で血圧は下がります。
利尿剤とは・・・
腎臓に作用し、塩分と水分は排出を促進させます。その事で、血液量は減ります。しかし、水分が減ることにより血液の粘性は上がります。そのせいで血液の流れは悪くなり、細胞への栄養供給を早めるために、脈は早くなります。そうなると結果的に更に血圧上昇を招く事になります。腎臓に負担が掛かる為、最悪の場合腎不全を招く事にもなります。

 

腎臓には血圧を上げるホルモンがあります。
腎臓で造られるレニンと呼ばれる物質は血圧を調整する作用を担っています。しかし、利尿剤を使い続ける事で、腎臓での血圧調節機能を失ってしまいます。

 

血圧が上がるという事は、身体を動かそうとする為の反応です。そうすることで全身に血液を供給することができるのです。血圧と言うのは、自律神経が身体の状態によって微妙に調整してくれています。当然、血圧を高めにしておく必要のある生活を送っている人もいるので、本当に降圧剤が自分にとって必要なものなのか見極める必要はあるのではないかと思います。

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