皮膚が過敏な事は良い事か?

皮膚が過敏な人をたまに見かけますが、果たしてそれは良い事なのでしょうか?
皮膚感覚が鋭敏であるという事は、ストレスを受けやすいとも言えます。

 

例えば、誰かが後ろから不意に触れたとします。そうなると、皮膚が察知して脳に伝達されます。これが、慣れた感覚であれば脳は余計な反応は示しません。ところが、皮膚感覚が鋭敏な人はこの時に危険と感じ取ってしまい、脳から逃避行動のシグナルが発信されてしまいます。この時に、脳から下垂体、そして副腎に命令が下され、ノルアドレナリンが分泌されます。その事でストレスを回避する為にコルチゾールも分泌されてしまいます。
*ノルアドレナリンもコルチゾールも副腎ホルモンです。

 

この事で副腎に余計な負担をかける事になってしまうのです。赤ちゃんは人が触れることがなく育てる事は不可能と言われています。

 

今から800年前ローマ帝国で人が触れること無く赤ちゃんが育つかという実験が行われたことが過去にあったそうです。50人の赤ちゃんをスキンシップすること無く育つか実験されました。生命活動に必要な衣食住に関する事はぬかりなく育てられたそうです。すると、赤ちゃんは1歳の誕生日を迎えること無く全員死亡したそうです。

 

他にも、ドイツで似たような実験が行われたことがあり、戦争孤児55人を同じようにスキンシップをとること無く育て続けました。すると27人は二年以内に死亡。17人は成人を迎えること無く死亡。残る11人は精神疾患、知的障害を抱える結果となった。他にも実験は行われたことがあるが、いずれも良い結果は残っていません。
このような違いが出ている事からも、人が触れることは非常に大事なことがうかがえます。

 

人が触れることは時として不快に感じる事はあるのは事実です。生理的に受け付けない・大嫌いな人等に触れられると嫌悪感を示すのは当然とも言えます。ですが、そういった感情のない人であっても触られることが苦手となると、日常生活でも過敏になっている可能性が高いです。そして、そういう人は人と触れ合うことに慣れている人と比較するとストレスは大きいはずです。

 

人の身体が形成される時、外胚葉、中胚葉、内胚葉の3つに分かれそれらが分化していき組織がつくられていきます。その過程で外胚葉からは神経や感覚器へと分かれていきます。そして神経系と皮膚は同じ外肺葉由来であるため、関連していると考えらます。そしてそれだけでなく、敏感な為に異物と感じると防御する為に免疫が過剰に働きます。そうなることで細胞が傷つけられることにもつながります。そして体内に活性酸素が多く発生し、遺伝子まで傷つけられることにより、細胞が癌化してしまいます。妊娠しにくい事もこの事が関連していると考えられます。

 

それらのことを少しでも軽減させる為にも皮膚感覚を馴らしていくことは重要なことであると私は考えています。

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