乗り物酔い
乗り物酔いには、目と耳、皮膚、脳といった器官が関係しています。
その中でも目は常時しっかり動いており、筋肉活動が活発な部位でもあります。そして脳に関して言えば取り入れた食事のエネルギーの約25%は使われていると言われています。目で見たものを皮膚や脳で感知し耳でバランスをとるといった事を自然に行っているのですが、これらの事が円滑に行われなくなった際に脳内での情報にズレが生じるため、身体のバランスコントロールが、上手くいかなくなって酔いという感覚を引き起こしてしまうのです。
一般的に言われている主な原因としては内耳での問題です。耳には三半器官と呼ばれる平衡感覚を感知する器官があり、その中はリンパ液で満たされています。その中には砂が含まれており、その砂の動きを脳に伝えているのですが、その砂の動きを小脳に上手く伝える事が出来なくなる事でフラつきや悪心と言った現象を引き起こしてしまいます。その際に胃や腸も刺激される為に嘔吐症状が起こります。運転してる人が酔いにくいのはその振動や視界を自分である程度コントロール出来る為に乗り物酔いを起こしにくいようです。
脳の小脳という部位は協調運動に関与しています。筋肉、関節、内耳からの平衡感覚情報などを調節しており、健常者が転倒したりしても怪我をせずに済んでいるのは小脳でのバランス調節のおかげなのです。
目と言う器官は人体の中で最も筋肉活動が活発な部位とも言えます。上斜筋、上直筋、下斜筋、下直筋、内直筋、外直筋と言った筋肉により眼球を動かし、瞳孔は瞳孔括約筋、瞳孔散大筋と言った筋肉により複雑な動きを行う事が出来るのです。その為、沢山の血液を必要とします。人体で最も動いている筋肉といっても過言ではありません。
筋肉と言うのは活動する為には酸素の取り込みが行われないと動く事が出来ません。酸素を運んでいるのは血液中の赤血球ですが、この赤血球と酸素を結合させるのにある物質が作用しています。
腎臓で作られているエリスロポエチンと呼ばれるホルモンがそれにあたります。腎機能が弱る事により酸素不足を起こし眼球運動を十分に行う事が出来なくなり、結果乗り物酔いをしやすい状況を引き起こしてしまいます。その為には腎臓を元気にしてあげる事も重要になってきます。腎機能が弱っている人は浮腫みやすい傾向にもありますので普段から体液循環を良くしてあげる事も必要となります。