冷え性について
身体が冷えるという事はどういう事か？外気温が低い為に寒く感じるのは当たり前のことですが、就寝時に足の冷たさを感じるようであれば間違いなく冷え性です。
全般的に冷えを感じ易いのは女性に多い傾向があります。女性が冷えを感じ易い理由として・・・
・全般的に男性と比較し筋肉量が少ない
・血圧が低い
・皮下脂肪が男性よりも多い
・生理の為、全体的な血液量が少なくなり易い
・甘い物が好き
・ストレスが多い
・甲状腺の働きが悪い等
あくまで、全般的な傾向です。男性にも脂肪が多く、甘い物を好む男性もいますし筋肉量の少ない男性もいますので。現代社会において、ストレスに関しては男女共に過多な生活を送っている事が多いと思います。
長時間労働、昼夜逆転生活なども冷え性の原因となります。では、上記した事が冷えに関係する理由を挙げて行きます。
：筋肉量が少ないと冷える理由
筋肉というのは、運動する事でポンプ作用をもたらせてくれます。そのポンプ作用のおかげで血管は動くことができます。動脈自体は自ら動くことが出来ますが、静脈・リンパ管は殆ど自ら動くことが出来ず還流は筋肉に依存しています。その為、筋肉量が少ないと栄養供給量は低下するので細胞自体の活動も低下します。そうなるとエネルギー不足が起こります。熱というのはエネルギー産生される際、同時に発生するので細胞活動の低下が結果的に熱量不足を起こし身体が冷えてしまいます。
：血圧が低いと冷える理由
血圧と言うのは血液の供給をする為に起こります。血液があっても血圧が低いと細胞に栄養供給がされません。栄養供給の要となっているのは毛細血管なのですが、毛細血管というのはメッシュ構造になっており、そのメッシュから血球成分が漏れ出し細胞に栄養が送られます。ところが血圧が低いと血球成分を血管外に漏れ出すことをできない為、結果的に細胞は栄養不足となり細胞の活動は低下するので熱量不足となります。
：皮下脂肪が多いと冷える理由
皮下脂肪というのは体温を保つ、身体を衝撃から守る為に存在しています。保温効果というと響きは良いのですが、温めると中々冷めない・冷えると中々温まらないとういった性質があると言う事です。例えば、辛い物を食べたとします。すると最初は大丈夫でも時間が経つと脂肪のある人は中々熱が冷めないため通常よりも暑さを感じます。逆に一度身体が冷えると中々温もらないので冷えも持続してしまいます。その事で余計に代謝は悪くなり、熱産生が低下する事になります。
：生理が冷えに関係する理由
生理が来るという事は出血するという事です。出血する事で全体の血液量は減ります。そうなると、栄養供給している血球が減るので細胞に栄養が行き届かなくなるので、細胞の活動も低下してしまいます。その事でエネルギー産生も減少し、熱の発生も低下する為、身体が冷える事になってしまいます。
：甘い物を食べると冷える理由
甘い物と言うのは、糖質の事を差します。糖分と言うのは細胞が活動する時に必要な物質です。特に頭脳労働には欠かせない物質でもあります。この糖質と言うのは摂取することで細胞に栄養として運ぶためにインシュリンが分泌されます。このインシュリンが糖と結合することで細胞内に入ることが出来るのですが、このインシュリンは血管を硬くしてしまう性質があり、糖を沢山摂取することで大量にインシュリンが必要となり血管硬化を助長します。そうすることで、血圧を上げても血管が細くならず血球の栄養成分を細胞に送り込めなくなってしまいます。その事が原因で細胞活動の低下を招くため、エネルギー産生と熱量産生も低下し身体が冷える事になってしまいます。
：ストレスが冷えと関連する理由
ストレスがかかると副腎からコルチゾールと呼ばれるホルモンが放出されます。コルチゾールと言うのは血糖値を上げるホルモンで細胞の働きを活発にする為に分泌されます。このコルチゾールもまたインシュリンと同じく血管を硬くさせる性質があるため血管硬化の原因となり血管が硬くなる事で血圧も上がりにくくなり、血球成分を送り込むことが難しくなります。その事で細胞活動低下によるエネルギー産生と熱量の不足を招く事となってしまいます。そしてストレスが多い生活を送ることで交感神経過多になっています。そうなると腸内活動も低下する為、栄養吸収がちゃんとできていない可能性があります。そうなると肝腎の細胞への栄養が足りなくなるのでエネルギー不足と熱量の不足となります。
：甲状腺機能が弱い可能性
甲状腺ホルモンと言うのは細胞が活動するのを早める作用があり、細胞の代謝を上げてくれます。ところがこのホルモンの量が少ないと細胞活動が低下する為、身体の冷えの原因となります。詳しくは甲状腺のページをご覧下さい。
身体の冷えと言うのは万病の元とも言いますが、実際、細胞活動の低下を招くので様々な病気を引き起こす原因となります。冷えている事を放置する事で免疫力は低下し、糖尿病・癌などの疾患を引き起こし易いリスクとなります。
