ウィルスについて
ウィルスとは動植物だけでなく、細菌やカビにも感染する
現在、見つかっているウイルスは3万種あり、哺乳類と鳥類に感染するものは650種程存在します。
ウィルスは同じ種類でも型が違うものがあり、その型だけでも100程のパターンがあったりします。知らない間にウィルス感染を大抵の場合は無症状で済んでいたりします。中でも重篤な症状を引き起こすのは限られた種類のものだけなのです。
歴史的にウィルス感染で大問題を引き起こしたものに、天然痘と狂犬病があります。
昨今ではSARS(重症急性呼吸器症候群)が問題になりました。このSARSの原因と言われているのがコロナウィルスです。現在世界中に蔓延しており、パンデミックを引き起こしておりますが。
コロナウィルスはボールのような形状をしており、電子顕微鏡で観察すると周りが太陽のコロナのように見える事からコロナウィルスと呼ばれています。
コロナウィルスはRNA(核酸)型のウィルスでインフルエンザと同じように変異する事が特徴といえます。その為に、ワクチンが型により効果が出なかったリという現象がおこります。飛沫感染、接触感染により感染しますが、粘膜に触れることで細胞内に入り込みます。それから細胞内で増殖していき、我々の体組織を侵していくのです。
これらの人体に大きく影響を及ぼすウィルスのことをエマージェンシーウィルス、キラーウィルスと呼ばれます。しかし、これらの人体に多大な影響を与えるウィルスの宿主は主に野生動物であったりします。寄生虫というのは、基本的に宿主が死んでしまうと生存する事が出来なくなるので、宿主が死ぬようなことはしません。実際、サナダムシは人の腸の中にいても人体へ攻撃するようなことはしません。昔は腸の中にサナダムシが寄生している人が沢山いたそうです。その概念はウィルスも同じで宿主に攻撃をして宿主が死んでしまうと生存出来なくなってしまうので、そんなことはしません。
ところが、宿主が変わることで悪影響を及ぼし、殺傷してしまうことになるのです。上記してように直接感染と言うのはわかり易いのですが、最近では排泄物などを経由して感染するケースもあり、より複雑化しているようです。
自然宿主となる蝙蝠の排泄物が付着した土に口を付けた豚が感染し、その肉を人間が食すことにより感染するというパターンもあります。
ウィルスの構造
カプシドと呼ばれる蛋白質の壁の中に核酸が入り込んでいる。種類によっては外側にヱンベローブと呼ばれる被膜に包まれています。
核酸にはDNAかRNAの遺伝情報が含まれており、DNA型はRNAに一度変換してからタンパク質の合成を行う。RNA型はDNAの役割を果たしつつタンパク質の合成を行う。といった増殖の仕方をします。
特長としてDNAウィルスは丈夫で壊れにくいが増殖スピードは緩やかでヘルペスウィルス、アデノウィルスは代表的。
RNAウィルスは壊れやすいが、増殖スピードは速い。インフルエンザやコロナウィルスは代表的。
ヱンベローブは脂質の二重層で出来ており、アルコール、石鹸等、消毒液により溶解されるため手洗いや消毒薬は有効に働きます。
尚、ヱンベローブを持たないウィルスは胆汁に溶けないため、注意が必要です。ノロウィルスはヱンベローブを持たないウィルスとして有名です。ヱンベローブを持たないウィルスはカプシドが強固に作られている為、消毒液や石鹸ではウィルスを破壊する事は難しいと言われています。しかし、こういったノンヱンベローブウィルスに対しては次亜塩素酸水が有効とされています。
ウィルスの増殖方法
ウィルスにはDNAかRNAのどちらかの核酸をもちますが、生物とは違い自身では増える事ができません。ウィルスは細胞の中に入り込み、核酸を放出し細胞の核に入り込み自身の材料となるタンパクと核酸を造らせて増殖していきます。