小腸について

十二指腸、空腸、回腸の事をまとめて小腸と呼びます。胃や十二指腸で分解された食物を栄養素として吸収しやすいように、さらに分解します。長さ6mほどで広げるとテニスコートの1/4程の面積を持ちます。小腸内部は腸絨毛と呼ばれる組織があり、より多くの栄養素を吸収しやすい構造になっています。腸絨毛ではミネラル、ビタミン、糖、アミノ酸などの身体に必要とされる栄養分を吸収します。胃から運ばれた粥状になった食物を完全消化する為に、消化酵素を小腸液として出しています。
炭水化物:麦芽糖、ブドウ糖
脂肪:脂肪酸、グリセリン
吸収した栄養分は小腸血管に摂り込まれ、肝臓に送り込まれます。栄養分を吸収した後の粥状の物質は大腸に送り込まれ、排泄されます。

 

小腸の病気で有名なものに、クローン病があります。クローン病とは、口、食道、胃、腸、肛門といった消化管に炎症・潰瘍が出来る病気です。小腸と大腸の間にある、回盲部と呼ばれる部分に発生し易いです。炎症は集中することは少なく、分散している事が多いです。10〜20代のストレス過敏なタイプに起こり易い。白血球が過剰反応を起こし攻撃を仕掛ける為に炎症反応となって現れます。

 

炎症が酷くなると潰瘍となり筋層まで届きます。それが、腹痛・下痢・下血・発熱・体重減少といった症状が出てきます。精神的・肉体的ストレスを感じると起こりやすく、普通では反応しない物質にまで白血球が反応を示すことで、炎症が起きてしまうのです。自己免疫疾患と思われているのもあり、治療にステロイド剤が使われますが、薬では根本解決にはならないので、食生活と環境を変えていくことが治療には必要といえます。

 

腸内細菌という言葉を聞く機会が増えていますが、腸内細菌には大きく分けて、三種類あり、善玉菌(ビフィズス菌などで餌は糖質)悪玉菌(大腸菌などで、餌はタンパク質)日和見菌(カンジダ菌など餌はグルテン)
*糖が善玉菌の餌になるのは間違いないのですが、あくまで単糖で、植物油脂と結合した糖質は単糖に分解されにくい為、善玉菌の餌になりにくいです。
善玉菌は小腸内に入ってきた内容物を消化吸収しやすい形に変えてくれます。悪玉菌は腸内で腐敗を起こし、アンモニア・インドール・スカトール・フェノール・硫化水素などの有害物質を発生させます。腸内環境が悪いと、日和見菌も悪さをし悪玉菌と同じような作用を起こします。ガス腹(出ないオナラ)臭いオナラは腸内環境が悪くなっているサインとも言えます。

 

有害物質は腸壁を傷つけて、毒素をどんどん排出するので、分解するのに肝臓にも負担をかけていきます。腸内環境が悪いと栄養不足を招く事になるので、乱れた食生活は改めて、ストレスを軽減できる環境にしていくことが健康でいる為には必要な事です。

リーキーガット症候群とは・・・

リーキーガット症候群とは
腸の粘膜に傷がつき、穴があき腸管内の細菌やウィルスが外に漏れだすことを言います。腸管壁浸漏症候群とも呼ばれます。LEAKY=漏れる GUT=腸 SYNDOROME症候群
アレルギー、便秘、喘息、花粉症、偏頭痛、関節炎などの原因を引き起こすといわれています。
腸管に穴が開く原因として考えられるのは、腸内環境の悪化です。腸内には善玉菌、悪玉菌日和菌と混在していますが、このバランスが崩れ悪玉菌優位の腸内環境になる事で、日和見菌も悪玉菌の手助けして、身体に害を与える作用を及ぼします。
特に注意が必要なのはカンジダ菌と呼ばれる真菌です。これらが腸内で増殖することで腸内で毒ガスを発生させます。その事により、免疫反応が起こり患部に攻撃にいきます。その数が多いと沢山の攻撃がいく為、正常組織にまで攻撃が及びます。その事が何度も続くことにより、腸管は傷がつき、最終的に腸管に穴が開いてしまうのです。この際に出てくる内容物を異物と認識することでアレルギー発症の原因を造ることになってしまうのです。

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