内分泌器官(ホルモン分泌器官)について

ホルモンとは・・・
体内で造られ、ある特定の器官に働きかけ伝達、作用を及ぼす化学物質のことです。
その内分泌細胞が集まった場所を内分泌腺と呼びます。精巣・卵巣・膵臓・副腎・甲状腺・視床下部・下垂体が内分泌腺と呼ばれる器官にあたります。これらの腺からホルモンは血中に放出され、標的器官に命令や作用を促しています。これらがきちんと作用することで生命活動を維持する事が出来ています。
*血中に放出されず、細胞外に放出されるものは外分泌と呼ばれます。唾液、消化液、母乳などがそれにあたります。
人体にあるホルモンは約70種以上あります。
ホルモンのタイプは大きく分けて3種類あり・・・
・ペプチドホルモン:ペプチドホルモンはアミノ酸が2個以上繋がった、タンパク質からできるホルモンです。代表的なものに成長ホルモン・インシュリン・甲状腺刺激ホルモンなどがあります。
・ステロイドホルモン:コレステロール(脂質が原料)からつくられるホルモンのことです。副腎皮質ホルモン、性ホルモンなど
・アミノ酸誘導体ホルモン:アミノ酸が変化して出来るホルモン。アドレナリン、メラトニン、甲状腺ホルモン、神経伝達物質などがあります。
その他に脂肪酸誘導体ホルモンと呼ばれるものがありますが、これはアミノ酸と同じく脂肪酸が分解されてできるホルモンでプロスタグランジンがこれにあたります。痛みの誘発物質でもあります。

 

これだけ沢山のホルモンがあるわけですが、特定の器官だけに効果を及ぼすのは標的器官とホルモンが鍵と鍵穴の関係にあるからです。標的器官には受容体(レセプター)と呼ばれるものがあり、受容体に合わないホルモンは受け取ることが出来ない仕組みになっています。しかし異なる作用を促す為に、違う受容体もあります。要するに鍵穴は同じだが形状は異なるとイメージしてもらえればよいかと思います。

 

ホルモンは微量で作用するため、ホルモンの量が少し不足したり多すぎたりすると体に変調をきたしてしまいます。
主なホルモンの働きとしては
恒常性の維持:身体を健康な状態に保つために、血糖値をコントロールしたり、体温の調整、血圧の維持、ミネラルバランスの維持、水分調節などの調節を行っています。

 

身体の成長:体や脳の成長を促す働きがあり、成長ホルモンが出ないと知能指数は上がらず身体の発達が遅れるので低身長化してしまいます。

 

性の発達:男女差があるのはこのホルモンのおかげで、男性は男性ホルモンの影響で男性らしく、女性は女性ホルモンの影響で女性らしく成長します。

 

生殖・妊娠出産:性ホルモンにより性行動、性機能などの生殖活動や妊娠出産に関与。

 

外部からの防御反応:細菌感染、精神的ストレスによりホルモンが放出され身体を守ろうとする防御反応をします。そして、抵抗力を高めます。

 

脳作用:神経伝達物質が脳に働きかけて感情、思考に働きかけコントロールします。

 

これらの働きを担うホルモンですが、これらの指令を出している大元は脳の間脳と呼ばれる部分です。恒常性の維持を調整している部分にあたります。この間脳が状況を判断してホルモン分泌を促しています。

 

間脳のうち現状を大脳に伝える役割をしているのが視床で、体内時計を調整しているのは松果体です。松果体に関してはこれ以外に神経伝達物質のメラトニンを分泌しているが、まだまだ謎が多い部位でもあります。視床下部からは各臓器への命令を出して、下垂体に働きかけます。下垂体からは各内分泌器官に指令を出す役割を担っています。

 

ホルモンというのはこれらの働きを行っている生命維持にとってなくてはならない物質なのです。

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