膵臓について

胃の裏側にある約15cmほどの細長い臓器で右側は太く、左に行くと細くなる。十二指腸に繋がり膵液を放出している。膵臓は肝臓と同じく消化機能を担う役割を果たしています。膵液はpH約8.5で重炭酸ナトリウムが主成分。
外分泌機能と内分泌機能をもち、外分泌腺は消化に関与し、内分泌腺は血糖コントロールに作用しています。食物が十二指腸に入ると、セクレチン・コレシストキニンといったホルモンが放出され膵液分泌が促されます。
*コレシストキニン:十二指腸粘膜から放出されるホルモン
 セクレチン:十二指腸から放出されるホルモン
(酸性の時に分泌され、アルカリに傾くと分泌されない)

 

膵液に含まれる分解酵素は
キモトリプシン:タンパク質をペプチドまで分解する
トリプシン:タンパク質分解、キモトリプシンと共に働く
アミラーゼ:でんぷんやグリコーゲンの分解(麦芽糖、ブドウ糖に変換)唾液にも含まれる
リパーゼ:脂肪分解 脂肪酸とグリセリンに分解する
が含まれており、これらのおかげで、体内に栄養分を吸収しやすい形に変えてくれています。
そして、膵液には重炭酸ナトリウムが含まれており、胃から排出された内容物を酸性からアルカリ寄りにしてpHを均等に保ってくれています。

 

内分泌腺は膵臓にあるランゲルハンス島と呼ばれる細胞群より3種のホルモンが分泌されています。
α細胞:グルカゴン 血糖値を上げる働き
β細胞:インシュリン 血糖値を下げる働き
δ細胞:ソマトスタチン グルカゴンとインシュリンの分泌抑制
これらの働きがあり、血中の血糖バランスを保っています。そして、インシュリンの分泌が減少若しくは無くなった状態が糖尿病です。

 

長い歴史の中で飽食の時代というのは珍しく多くは、飢餓の生活を強いられることの方が多かった為、飢餓に対応出来る様に血糖値を上げて、身体を動かせる状態にさせる必要性がありました。その為、体内には血糖値を上げる作用を及ぼす物質はグルカゴン以外にも沢山存在しています。その逆に血糖値を下げるホルモンというのはインシュリン以外になく、高血糖を下げる為の負担が一気にかかるので、現代のような食べる物に苦労しない環境下では糖尿病といった病気になり易い状況になってしまいます。糖尿病になると口渇、他飲、多尿、体重減少、易疲労といった症状が発現し、毛細血管、神経、臓器が損傷され、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害などを引き起こす。

 

糖尿病にも種類がありT型糖尿病、U型糖尿病、各疾患及び薬剤性糖尿病、妊娠糖尿病とがある。T型糖尿病は自己免疫のβ細胞攻撃により引き起こされインシュリンが分泌されなくなる事により発症。比較的、若年層に多い。U型糖尿病は生活習慣が原因となる糖尿病で、患者数は一番多い。過食、肥満、運動不足が主な要因である。治療は食事療法がメインとなります。

トップへ戻る