胆嚢について

胆嚢とは肝臓で作られた、胆汁を貯蔵しています。胆汁とは胆汁酸と胆汁色素を含み、胆汁酸の界面活性成分により、脂肪を乳化して細かくしてくれます。その事で、リパーゼと反応をし易い状態にします。胆汁色素は赤血球のヘムが肝臓で代謝されて黄褐色に変化します。これをビリルビンと呼びます。糞便の色が黄褐色なのはこの為です。肝臓の下に位置しており10cm程度の大きさで50〜60mlの胆汁を貯蔵しています。

 

食べ物が十二指腸に入り込むとコレシストキニンと呼ばれる消化管ホルモンが分泌され、胆嚢を収縮させて胆汁を十二指腸に排出します。

 

脂肪を分解するには胆汁は必要で、1日に1l程度肝臓で造られています。黄疸という言葉を耳にした事はあると思いますが、この症状が起こるのは胆嚢と十二指腸との間をつなぐ総胆管が詰まることにより引き起こされます。その為、脂肪分の多い食事は胆嚢に負担を掛けてしまうのです。

 

胆石が出来たという話を聞くことがたまにあると思いますが、胆嚢及び胆嚢を繋ぐ管に出来る結石の事を差します。比較的女性に多い疾患ですが、約8割は胆嚢内に出来ます。

 

結石の主成分としては、コレステロール、ビリルビン、カルシウム等が含まれます。結石の約8割はビリルビン、カルシウムが主成分となります。
細菌の出す酵素がビリルビンに変化を起こしカルシウムと結合したものです。
胆嚢結石は、肝臓と胆嚢を繋ぐ肝外胆管に出来て、胆嚢への入り口を塞ぎます。そうなると、右上腹部痛、右肋骨部痛、圧迫感、右背部鈍痛を引き起こします。

 

胆石により胆嚢内が傷つけられたり閉塞されることで、内圧が上昇し血流・リンパの流れが悪くなり、腫れてきます。そして、胆嚢内の胆汁が入れ替わらない為、細菌が内部で繁殖し急性胆嚢炎を引き起こす胆管に結石があると、胆管に結石があると、十二指腸に胆汁が流れないのでみぞおちに痛み、発熱を引き起こします。胆汁が逆流することで、黄疸が出ます。急性膵炎の原因ともなります。

 

発生原因としては、交感神経優位な生活が続くことにより、胆汁の排出が抑制され、体温が低下することで、結晶化しやすい環境になる事が原因とされています。

 

これらの、悪循環が結果として癌を招く原因となるので、脂質の多い食事は多くなり過ぎない事と、身体が冷えやすい環境にならないように気を付けることが予防となります。特に女性は生理の関係もあり、身体が冷える環境になり易いのと、仕事や睡眠不足による交感神経過多な生活にならないように気を付ける事が必要です

脾臓について

脾臓とは左脇腹に位置する、リンパ造血器官です。乳幼児期の血球生産(赤血球・白血球・リンパ球)の要となっています。成人してからも骨髄機能の低下により造血してくれます。通常、10cm×6cm×3cm程度の大きさがあります。
老化したものや異常な赤血球の破壊、そして正常な赤血球・血小板を血液が足りなくなると送りだします。脾臓にはリンパ組織があり、リンパ球をつくります。
白血病になると不良な血球を処理する為に脾臓の働きが活発になり通常の倍くらいの大きさになります。脾臓の働きが活発になると正常な血球成分まで破壊してしまうので、貧血・出血を引き起こす原因となります。肝硬変になると門脈(太い静脈で腸・脾臓を循環し栄養分を含んだ血管)の流れが悪くなり脾臓が腫れます。

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