大腸について
大腸は食物を最終処理する器官です。太さは小腸の倍ほど大きく、1.5mほどの長さがあります。小腸で栄養吸収された食物が大腸に送り込まれ、水分やミネラルの吸収を行います。不要物は固形化され便として排泄されます。盲腸・結腸・直腸とに分かれますが、盲腸は殆ど機能を果たしていません。
水分やミネラル吸収を行っているのは結腸です。そして固形化された便は直腸に滞留し圧が高まると体外に排泄しようとします。この時に肛門括約筋の緊張が緩みます。
大腸は副交感神経支配されており、副交感神経が優位になることで蠕動運動が起こり、食物を直腸まで移動するように運動します。大便とは基本不要物であるので、体外から早く排出させる必要があります。不必要な腸内細菌や異物を滞留させることは健康上良く無い事です。
副交感神経が優位な時に働くのですが、この副交感神経が働きにくい状況下にあると便秘を招く事になります。交感神経優位の時には蠕動運動が起こらない為、便の滞留時間が長くなります。その事により、便として排出する時の水分が奪われて便が硬くなってしまい、動きが悪くなる事が便秘の原因になります。
特に男性よりも女性の方が便秘になり易い傾向にあります。女性ホルモンのプロゲステロンには蠕動運動を抑制する作用があるのでその事が影響しています。便秘を放置すると腸内環境の悪化を招くので、生活を見直すことが必要でしょう。
逆に下痢を引き起こすのは男性に多く、これは胆汁の影響でもあります。胆汁は食物の脂肪分を分解する働き以外にも活性酸素を除去する事にも役立っています。ストレスを受けることで身体は対応する為にエネルギーを発生させます。その時に大量の活性酸素が放出されるので、その活性酸素を除去する為に胆汁が働きます。その事により下痢を引き起こしてしまうのです。他に細菌やウィルス感染、食べ過ぎ飲み過ぎ、冷え、薬も原因です。
身体が自律神経を整える為に交感神経緊張を変えさせようと副交感神経が無理に働き、その為、栄養吸収されず下痢となって排泄されます。下痢の時は脱水にならないよう水分をしっかりととり、油ものや冷えた物を摂取することを控える必要がります。
過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群
腸管には異常はなく下痢と便秘を交互に起こし腹痛を起こす症状の事を差します。
この症状は下痢を止める為に、副交感神経遮断剤を利用し交感神経優位に持っていくのですが、あくまで対処療法なので、治す訳ではありません。
根本原因は交感神経優位になる生活の改善です。この過敏性腸症候群は交感神経優位の生活が長く続くことで、無理やり副交感神経優位にもっていこうとする身体の反応です。
便秘→交感神経優位の時に水分不足になり便が出ない状態→硬い便が排泄されると今度は無理に排泄→しっかりと栄養吸収できずに排泄。その為、下痢となって排泄。
ということは副交感神経が優位になる時間を増やすことが必要になってきます。適度な運動、しっかりとした睡眠、そして自律神経を整えるための刺激等が症状の改善につながると思います。