腰の痛みが引きました!

この時期、ぎっくり腰・・・

で来院されるクライアントさんが多いのですが、先日も続けて何名かの方が歩きにくそうに来院されました。腰を伸ばすことができない方や逆に腰を曲げることが出来ない、足やお尻が痛いといった症状を訴えて来院されています。

では、この時期に多いのはなぜだと思われますか?

話は少しズレますが最近、どんな服を着ればよいのか悩む方も多いのではないでしょうか?暑いのかなって思ったら寒かったり、寒いかなぁと思ったら暑かったり着るものに悩む方も多いのではないでしょうか?

これって身体も同じように感じているのです。頭だけでなく、身体自体もそう感じていて寒いと身体から熱を逃がさないようにと身体の筋肉を縮めています。

身体を縮めるということは、筋肉の動きも悪くなります。その事で動きに制限が起きるわけです。その事により、普段なら問題のない動作であっても気温差により身体がうまく反応が出来なくなってしまいます。普段何気なくしている物を拾う程度の動作であっても、痛めてしまうこともザラにあります。

筋肉というのは暖かい状態であれば充分に伸び縮みすることができますが、冷えた状態では十分に機能を発揮する事ができません。その事が動きの制限を招き、不意打ちでの痛みを誘発します。別名「魔女の一撃」との異名もあります。

筋肉というのは伸び縮みするのですが、骨との付着部にあたる腱の部分は伸びることができません。その為、筋肉がその時点での伸張限界になると危険を察知しロックがかかります。そうなると、筋肉を伸ばすときに痛みとなって現れます。

余談になりますが、ストレッチというのは限界までやり過ぎると返って伸びにくくしてしまいます。

寒暖差というのは、この時期特に感じやすく、寒いはずなのに汗をひどくかいたり、暑いはずなのに足が吊るような感覚になったりしやすかったりします。それだけ身体がうまく反応出来ない状況になっているので、この時期に起こりやすいのです。特に経験のある方は気を付けていただいた方が無難でしょう。

では、具体的にどういった対策をとることで防げるのか?

日中の気温というのはある程度一定していても朝晩になると急激に冷え込んだりしますので、着込んで出かける時は脱ぎ着のし易い衣類を身につける方が良いですね。汗をかくことで体内の温度は下がり濡れた状態が続くことで体温が下がることになりますので暑く感じるようなら少し薄着になれるような服を着ておく事をオススメします。

この時期に汗をかいて放置しておくとかなり体感温度も低くなりますので気を付けてください。

体温が急激に下がると先ほど述べた通り、筋肉の収縮が起こり身体の動きが悪くなりますのでその状態で動くときは軽いストレッチ(動的ストレッチ)を行ってから動くように気を付けてください。身体を動かすときに静的ストレッチを行うとかえって動きが悪くなることがありますので、運動前は動的ストレッチをオススメします。

*動的ストレッチとは動いた状態で身体を延ばしたりするストレッチのことで、代表的なものにブラジル体操というものがありますので、興味のある方は一度調べてみてください。

普段の活動ではさほど気にならない動きであっても、少し腰回りの動きが悪いなぁと感じる時や少し重さを感じる時は軽く腰を回してから動く方が予防になります。特に重量物を持つ、介助をするといった作業の多い方はより注意してもらった方がいいです。

 

後、物を持つときの体制ですが膝を曲げてから持ち上げるように意識しておいた方がいいでしょう。重量物等を持ち上げる時に痛める事の多い腰ですが、背筋の動きが悪くなっていると痛めてしまうリスクを更に高めてしまいますので、普段から気を付けて下さい。

いざ、痛みが起こった時の対処ですが、基本は痛みが起きたら膝を少し曲げた体制で横になるのが一番良いのですが、そのように出来ない時は高めの椅子に腰を掛けて少しの間じっとしているのが良いです。低い椅子に無理に座るのはかえって痛みを増してしまうので、無理そうなら壁にもたれながら膝を少し曲げて下さい。

この上記のシルエットのような座り方が理想です。

この膝を曲げる行為というのがポイントで腰が痛みを感じている時というのは股関節の動きが悪くなっているケースが非常に多く見られます。一見、痛みというと患部ばかりに目が行きますが実際は違う部位が原因で痛みを起こしている場合も多々あるのです。

腰が悪いときにお尻が痛くなったり、足が痛くなったりするのは痛みを起こしている付近に関連する神経が刺激されて痛みを引き起こしているからなのです。

さて、膝を曲げる行為が腰痛に関与している理由というのは太ももから腰に掛けてつながっている筋肉(腸腰筋)があり、その筋肉が緊張を引き起こして股関節の動きを制限しています。腰痛の経験のある方は痛みのある時に歩きにくいといった事を感じたことがあると思いますが、これはこの筋肉の緊張が原因として起こっていることが多いからなのです。そしてこの歩きにくい状況にしているのは股関節の動きが制限され思うように伸びなくなっているからなのです。

関連することで言いますと他にも、お腹が冷える事で腰痛を引き起こすこともあります。人間というのは自然と痛い部分を庇おうとする動きをとります。その為、若干前屈みの体制が続き背筋は常に緊張した状態となる為、急激な態勢変化をとると背筋に負担がかかります。調子の悪いところに関連する部位は筋肉の緊張が起こります。内臓器が悪くても、その影響は体表に現れてきます。

先ほど、痛みのある時は少し膝を曲げた態勢になってくださいといいましたが、このことは腸腰筋の緊張を緩めるという意味もあるのですが、腰の部分にかかる負担を減らす意味も含めています。腰というのは人にもよるのですが、若干緩やかなカーブを描いています。このカーブの事を生理的湾曲といいます。このカーブのおかげで立っている時にかかる体重の負担をうまく分散してくれているのです。ところが、これが曲がり過ぎていても良くなくて余りにも湾曲がきついとすべり症を起こす原因ともなり、腰痛を起こしやすい要因になります。

上向きに寝た状態になり、膝を伸ばした状態と膝を曲げたときの腰の状態を比較するとわかりやすいのですが、体感的に膝を曲げている時の方が楽なことに気づいてもらえると思います。そして湾曲の強い人というのはまっすぐ寝ることが苦手で自然と横向きで寝ている方が多いのでは?と思います。

ぎっくり腰になった時というのは、ひどい痛みのために全身の筋肉が緊張を起こします。そうなると患部がどこなのか判らない状態になっています。その為に、ちょっとした段差ですらまともに歩けなかったりします。

*私自身20代の頃にひどい腰痛になり1cm程度の段差を上ることもできないくらいの状況になった経験があります。

上を向いて膝を曲げた状態で10分程度安静にしていただいてから少し膝を開く運動をゆっくりと行ってください。そうすると少しは最初の時点よりも少し楽になっている可能性がありますので、腰痛になった時に是非試してみて下さい。というよりもならないのが一番大事ですがね・・・。かなりの頻度で起こるという方は自分の信頼できそうな整形外科、整骨院や整体院、で相談してみてください。自分の思っていたことと違う答えが見つかるかもしれませんよ。