もみ返しの考え方

もみ返しの考え方について

 

世間では「もみ返し」といった事がよく起こるといったお話を伺う事がありますが、このことについて今回お話させて頂こうと思います。

 

当院でも施術を行った日、若しくは次の日に倦怠感が現れる事が多々あります。

この倦怠感、痛み増強といった事がなぜ起こるのか?恐らく疑問に思われた方が多数おられると思います。場合によっては余計に悪くなったと思うケースもあるでしょう。そして実際に筋線維が痛んでしまい痛みを誘発しているパターンも少なからず考えられます。
*この辺りの誤解から整形外科で整骨院が嫌われる原因を作っている事もあるでしょう。

 

さて、ここで少し話は変わり、「好転反応」という言葉を聞いた事はないでしょうか?

「好転反応」とは文字の如く良くなる事で身体に起こる変化を指します。我々からすると悪くなる筈のない行為を行って痛みが増強するケースがこの「好転反応」に当たります。

 

クライアントからは不満を訴えて来られる場合もありますが、大抵の場合翌日には解消しており、負傷時よりも良い状態になる場合がほとんどです。稀に痛みが継続するケースもありますが、大抵は緩和しております。

 

「もみ返し」と「好転反応」の違いは施術して数日後に良くなっているか?改善してないかの違いの為、クライアントからすれば後日様子を見てみないとわからないのが現状だと思います。何らかの検査器具を使ってこのような状態を医学的に診断することは現代医学では不可能と思われます。

 

当院なりの考え方で「もみ返し」が発生しない方法で対応しており、今のところそういった部分でのクレームをいただいた事はありません。

 

では、「もみ返し」症状が起こる理由について考えてみましょう。

「もみ返し」というのは、筋肉が微量に損傷している状態を言います。筋線維が強い刺激により押しつぶされてしまい、切れてしまいます。

*肉離れはもっと広範に損傷されて切れている状態をさします。

 

筋肉組織が損傷することにより、損傷部に体液が集まり損傷部位を修復させようとします。その修復反応を「炎症」と呼び、この状態を一般的に「もみ返し」と呼んでいます。当然、損傷しているので痛みが続くことはあります。酷くなると一週間くらい続くこともあります。

 

一方、「好転反応」でも倦怠感や痛みが現れる事が多々あります。これの原因は何なのか?

血行不良を起こしている箇所というのは、血液循環が悪くて血液の流れが悪くなっている場所なのですが、普段から血液の流れが悪いと、血液量が一気に増える事で血管抵抗が上がります。その事が倦怠感や痛みとして体感してしまうのです。

 

例えば、コップに水を入れます。容量が少なければコップに全部入りますが水が多量になるとコップでは受けきれなくなります。そして溢れた水は外部に何らかの悪影響を与えます。それと同じで普段から少ない量で済んでいるとその少ない量で身体は対応しようとします。そうなると無理がかかる為、身体に何らかの形で負担をかけてでも対応しようとします。そのしわ寄せが血管にかかる訳です。

 

受けた施術に対して、患部の痛みが増す為かえって悪くなってしまったと誤解して不信感を抱く方もおられますが、実際は良くなっている事も多々ありますので、良いか悪いかは当日だけの判断ではなく、数日の様子を見ていただくことが大事かと思います。

 

自身が通院されている施術所でこのように感じたことのある方はこの事を認識して施術を受けていただくことで見えてくることもあると思います