表裏一体

表と裏

 

痛いのは患部。

でも原因は・・・

 

良く患者さんが首が痛いと言って首の後方を指摘される事が多いのですが、実際には他の部位に原因があるケースが多いです。腰にしてもそうです。腰の痛い部位を押さえて来院されますが、実際は腰以外に原因があることが多くあります。

 

筋肉というのは関節を伸ばす筋肉と縮める筋肉があります。大体が表裏一体となっているのですが・・・

 

例えば、痛いのが首の後ろ側だとします。では、この部分にアプローチしたら解決すると思いますか?

 

首の辛い部分が血行が良くなり、一見楽になったように思いますよね?

でも、これって原因が後ろだけが原因だった場合は有効ですが、反対側の筋肉が原因であればすぐに元に戻ります。

 

首はボーリングの玉ほどの重さがあります。そのボーリングの玉ほどの重さを支えるために前後左右で支えています。

 

しかも、最近の一般的な日本人の生活スタイルを考えてみてください。

パソコンを使う作業、スマホを見る動作、机で字を書くなどの作業により首は前傾姿勢になりがちです。

 

壁にもたれて背中と後頭部を壁に付けて立ってみてください。その体制が首の後部と前部の筋肉のバランスが取れている状態。ストレスがあまりかかっていない状態です。

 

たいていの方は不自然に感じると思います。その姿勢を不自然に感じる人ほど、普段から首周りの筋肉にストレスをかけている事になります。

 

下を向く体制が多いと背中よりの筋肉が張り詰めた状態が続くため、血液循環が悪くなりがちです。血液が流れないと筋肉は思うように動けないため血行不良を起こし肩が凝ったような感覚に襲われてしまいます。

 

では、そこの血液が流れたら解決するのか?確かに血液が流れていくと背中側の筋肉は弛緩するので楽になります。では、前側は?

 

長期間、前傾姿勢が続くことで、筋肉はその体制を維持しようとします。

そうなると筋肉は収縮した状態で柔軟性を失っていきます。ということは・・・

前側が緊張した状態が続いて、後ろ側は改善されたとしても首が後ろに曲がりにくいわけです。

 

仮に先ほど書いていたように後ろが楽になっても、前が硬い状態であれば、同じ体制を維持しなければいけない。その結果、血流が悪くなり同じことの繰り返しとなる訳です。

 

その事を意識しないと改善は見込めませんので、あくまで人に頼らず自力で改善したい人は覚えておくといいと思います。